【グルメ漫画レビュー】カジノの世界を描いた『夕餉はギャンブルのあとで』


出典:夕餉はギャンブルのあとで (著)森遊作

夕餉はギャンブルのあとで
日本文芸社から出版されているグルメ漫画作品です。

 

ストーリー


出典:夕餉はギャンブルのあとで (著)森遊作

夕餉はギャンブルのあとで』の主人公は裏カジノの従業員ハルイチ。
裏カジノで働いているとお金をたくさん持っているイメージですが、主人公のハルイチはよくお金がないと嘆いている印象が強いですね。なので漫画で出てくるお店は裏カジノの人が行くような高い中華料理店ではなく、庶民的で私たちでも入りやすいお店です。

意外とグルメ漫画といかつい男性の組み合わせは多くて、私が読んできた作品がギャグ要素が多いのでこの『夕餉はギャンブルのあとで』もギャグが多いグルメ漫画だと思っていたのですがそんなことはなく、裏カジノにいる人間だからこその危険な場面や高額なお金のやり取りも描かれていて少しドキドキするシーンも多くなっています。大きくストーリーが進んでいくことはありませんが、少しずつ変化していく日常はハルイチが日ごろ危険な仕事をしていることがよくわかるストーリーになっています。

1話の中のストーリーの流れは前半はハルイチの日常や仕事シーンで後半は食事シーンが多いのですが、前半と後半でプッツンと途切れることなく現状に合ったお店やばったりと出会ったお店が選ばれているので気持ちよく見れます。

ちなみに『夕餉はギャンブルのあとで』の「夕餉」が最初読めなかったんですが、「ゆうげ」と読むそうですね。
 

温度を感じる食事イラスト


出典:夕餉はギャンブルのあとで (著)森遊作

この作品のすごいところは食事のイラストですね。一口噛んだ時の食感舌に当たる温度が絵を見ただけでわかります。

食事シーンは結構豪快に描かれているのですが、グルメ漫画特有の誇張しすぎな表現ではなく心から美味しいと思っているからこその表現くらいに収まっています。ハルイチが一口目を食べた後に少し無言になって二口目や三口目に行くところは美味しさがよく伝わってきて共感できます。


出典:夕餉はギャンブルのあとで (著)森遊作

私がこの作品に惚れたのはこのグラタンのシーンでした。グラタンの表面のパン粉のサクサク感やチーズが少し伸びるところや熱々なマカロニがイラストだけで伝わってきます。
このシーンをみると夏でもグラタンが食べたくなってしまいます。



グルメだけじゃない!ギャンブルのドキドキ感も楽しめる

ストーリー紹介でも書いたように『夕餉はギャンブルのあとで』はハルイチの裏カジノで働いている生活が描かれているので、グルメだけではなくストーリーも楽しみたい方にピッタリです。

登場人物はハルイチだけでなく社長やママなど個性豊かなキャラクターが出てきます。この登場人物たちがハルイチを中心に動いたりハルイチが厄介ごとに巻き込まれたりします。名前のある登場人物の数は少ないですがかなり個性が強いので少なくてちょうどいいです。
最初は「次はどんな店が出てくるのかなぁ」とグルメを楽しみにしていたのですが、今は「これからどんな展開になるんだろう」とストーリーも楽しくなってきました。

ギャンブルのドキドキと言えば「カイジ」「賭ケグルイ」などを思い浮かべますが、『夕餉はギャンブルのあとで』は経営者としてのカジノや人とのつながりがかなり重要になっているので現実味があり「リアルさに欠ける」と思わずに漫画の世界に没頭できます。

 

お酒+おつまみ+メイン

ハルイチの頼み方が基本的にまずお酒とおつまみを頼んでから、お店のおすすめやメニューの中で目に留まったメイン料理を頼んでいます。

お酒はビールを頼むことが多いですがたまに少し変わったお酒やお店人気のお酒が出てくることもあります。晩酌にお酒とおつまみ目当てでお店を探したい人にも、お腹いっぱいになりたいからおすすめの料理を知りたい方にもおすすめできる作品です。

料理に対してのうんちくもなく、初めて来たお店や知らない国のお店では店員さんに素直におすすめを聞いているところが好感が持てますよね。料理のうんちくや豆知識は1話ごとに最後「春一メモ」で紹介されていて、話の中では書ききれなかった情報などを補足する形で書かれています。
 

実際のお店を紹介

漫画で出てくるお店は実際にあるお店です。ですが本当の店名ではなく少しだけ変えているようですね。1話で出てくるお店は「大衆酒場 伊勢周」です。
漫画では伊勢元になっていて伊勢元という大衆酒場もありますが、外観やグラタンは伊勢周さんの方が似ていますね。

ほかの漫画で出てきたお店もまとめてみました。店名をクリックしたら食べログが開きます。
2話 食堂「ほらふね食堂」・・・「はやふね食堂
3話 上海料理「上海大吃」・・・「上海小吃
4話 酒場「二裕酒場」・・・「三裕酒場
5話 タイ料理「サバイチョイ」・・・「サバイチャイ
6話 うどん「本陣」・・・「中陣
8話 餃子「餃子専門店 藤田屋」・・・「餃子専門店 藤井屋
9話 馬肉料理「馬屋並ノ助」・・・「馬並み家

その他にも著者の森遊作さんが考えたオリジナル店も出てくることもあります。漫画では店内や店主の様子が細やかに描かれていて東京のお店を選ぶときに重宝しそうです。
 

グルメもストーリーも楽しめる漫画

私はグルメ漫画はおいしそうなグルメを楽しむのがメインなのですが、『夕餉はギャンブルのあとで』はストーリーも楽しめる作品でした。
美味しそうな料理イラストと登場人物の個性豊かな掛け合いが楽しいです。イラストや表紙は男性向けですが女性でも読みやすいですよ。

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